演題
第67回・2022年・横浜 / 教育講演
EL-12-1
腹膜透析患者への看護~事例を通して看護師の役割を考える~ |
当院では2013年2月より糖尿病性腎症透析予防外来,2019年より腎代替療法外来を開設している.その中でShared Decision Making 「健康に関連した決定を下すにあたって,医療職と患者が共同でおこなうプロセス」,つまり医学的な情報や最善のエビデンスと,患者の生活背景や価値観など,医療者と患者が,双方の情報を共有しながら,一緒に意思を決定していくプロセスを取り入れて多職種で対象者とその家族へ意思決定支援を実践している.慢性疾患看護において慢性病をもつ方への看護の目標は1)自分の中にある力を信じて希望を持ってもらうこと2)対象者と話し合いながら,その人の価値観や生活背景を理解し,実現可能な療養生活を考え,改善策を見出すことがあげられる.セルフマネージメントは従来の対象者が無知な存在で医療者が一方的に指示と情報を与える方法の指導型ではなく,対象者を取り巻く生活背景,生活環境からその人がどのようなプロセスを辿り現在の疾患に至ったのかを聴取する学習援助型の方が有用である.また,その人が自分自身の課題に気付き,その解決策を見つけ出せるよう,問題を意識化,表面化する契機となり,雰囲気を作っていくことが重要である.今回は腹膜透析に関する看護について事例を挙げてチーム医療の中での看護師の役割について述べていく.