演題
第67回・2022年・横浜 / 東京女子医科大学企画
TW-01-1-4
透析医療がキャリアを救う?~女性医師目線の透析医療~ |
当院腎・高血圧・内分泌科腎臓グループは現在18名のメンバーのうち8名が女性であり,近年は男女比がほぼ半々で推移している.慢性疾患である腎疾患診療の特性に加えて,透析医療が専門性をもったキャリア形成と柔軟な勤務体制を両立できる領域であることも女性医師にとっては魅力である.当科では小さな子どもをもつ女性医師が血液浄化療法部に配属されることも多く,育児によりキャリアが途切れることなく成長を続けられる環境にある.
私は医師歴6年にして一旦医師として働くことをあきらめたが,約1年休職後に維持透析施設に職を得てキャリアを再開できた.常勤医として勤務するなかで,維持透析患者のもつ医学的多面性だけでなく,社会的・倫理的な問題に興味をもち,コメディカルスタッフとのチームビルディング,院内マネジメントをも学ぶことができた.大学病院に戻ってからは急性血液浄化を含めた血液浄化療法全般を担当するほか当県はじめての在宅血液透析導入トレーニングプログラムを確立し導入を実現できた.
医師の場合,「女性が働きやすい」といわれる勤務条件には,時間外の勤務や当直がないというほかに「特別なキャリアやスキルが不要」「その日,その場限りの仕事内容」という業務が多い.しかし透析医療においては医師も看護師も技士もそれぞれのスキルが十分であることは安全な治療を提供するために必須であり,治療効果や患者さんの置かれている社会的環境まで,長い期間継続して評価していくことが求められる.
職種の多様性や求める人材が多様であることは透析医療の特徴であり,「女性にやさしい」職場であることは間違いないが,COVID-19流行を経験し,勤務上の配慮が必要なのは小さな子どもを持つ女性だけではないという問題も浮き彫りになった.
性差や職種に関わらずプロフェッショナルとして成長していくことは可能だろうか.透析医療の魅力と成長のための心構えを女性医師の立場から述べたい.
私は医師歴6年にして一旦医師として働くことをあきらめたが,約1年休職後に維持透析施設に職を得てキャリアを再開できた.常勤医として勤務するなかで,維持透析患者のもつ医学的多面性だけでなく,社会的・倫理的な問題に興味をもち,コメディカルスタッフとのチームビルディング,院内マネジメントをも学ぶことができた.大学病院に戻ってからは急性血液浄化を含めた血液浄化療法全般を担当するほか当県はじめての在宅血液透析導入トレーニングプログラムを確立し導入を実現できた.
医師の場合,「女性が働きやすい」といわれる勤務条件には,時間外の勤務や当直がないというほかに「特別なキャリアやスキルが不要」「その日,その場限りの仕事内容」という業務が多い.しかし透析医療においては医師も看護師も技士もそれぞれのスキルが十分であることは安全な治療を提供するために必須であり,治療効果や患者さんの置かれている社会的環境まで,長い期間継続して評価していくことが求められる.
職種の多様性や求める人材が多様であることは透析医療の特徴であり,「女性にやさしい」職場であることは間違いないが,COVID-19流行を経験し,勤務上の配慮が必要なのは小さな子どもを持つ女性だけではないという問題も浮き彫りになった.
性差や職種に関わらずプロフェッショナルとして成長していくことは可能だろうか.透析医療の魅力と成長のための心構えを女性医師の立場から述べたい.